大分市中戸次のカフェとレストランのあいだhitoyoshiは、ロゴやメニュー表、ショップカードといったツール類のデザインをお手伝いした事例です。

現在の場所に移転する前は、大分市春日町で営業をしていたのですが、その出店準備をしていた2014年からお付き合いがあります。hitoyoshiという店名の由来は、「食」です。漢字を分解すると「人」と「良」に分けることができ、オーナーの「どのような人にとっても良い場所でありたい」という願いに繋がっています。その言葉の通り、「カフェとレストランのあいだ」というコンセプトで、イタリアンやカフェメニューなどを提供し、近所の家族やカップル、おじいちゃん、おばあちゃんまで、いろいろな方がくつろげる人気店でした。

ですが、5年前にオーナーに骨肉腫が見つかり、左膝下を切断するほどの大手術が必要となったため、やむなく閉店することになります。手術後もまた料理人としてキッチンに立つことを諦めず、復帰を目指して、入退院や義足でのリハビリに耐えていたそうです。そして2023年3月、「いよいよお店を再開しようと思います」と連絡をいただきました。仕事の依頼としてはもちろん、僕自身も家族と訪れていた客の一人としてそのニュースを喜びました。

新店舗は、古民家を改修した落ち着きのある建物で、新たにパートナーの方によるスイーツの販売やテイクアウトも始めました。店名や「カフェとレストランのあいだ」というコンセプト、オーナーをイメージした「しろくまシェフ」のロゴは変わりません。また、新たに作ったショップカードや名刺は、親しみがわく手書き文字を使ってhitoyoshiさんらしくしています。

一方で看板は、周辺の街並みや環境とのバランスも考慮しなくてはなりません。今回の移転先のエリアは、歴史的な建物が残る戸次本町として知られているだけに、店舗正面は暖簾にし、町の雰囲気に合うようにしています。

お店のオープンは2023年8月。入院生活を支えてくれたパートナー(新たにペンギンのキャラクターとして登場しています)とともに、二人三脚で新たなスタートを切ったオーナーを、デザインで応援できたことを嬉しく思います。

[hitoyoshi]