bakery an
2019-:ロゴマーク、ロゴ、ペーパーアイテム、サイン、グッズ
大分県大分市のベーカリーあんは、主にグラフィックの制作物(ロゴマーク、サイン、看板など)をデザインした事例です。
オーナー夫婦は、大分市内のパン屋で修業後、独立。お二人の人柄を反映したような温かみのある店内には、菓子パンから惣菜パンまでたくさんの手作りパンがずらり。パンブームも追い風となり、開店時から行列ができるほど人気で、現在もお子様連れのご家族や近所の方々でにぎわっています。
相談をいただいたきっかけは、知人からの紹介でした。店舗となる物件や商品ラインナップを検討している段階だったため、物件の内覧などにも同行させてもらいました。どうしてグラフィックデザイナーが物件まで一緒に検討するの? と思われるかもしれませんが、空間とグラフィックデザインはお互いに影響し合うため、二つがマッチすれば、よりしっかりとお店の世界観やイメージを打ち出すことができます。このようにヒアリングだけでなく、実際に現地のリサーチもしながら、お店のイメージに関わることにデザイナーの視点で意見を伝えたり、デザイン作業をする際にアイデアの素となる情報を集めたりします。
ベーカリーあんという店舗名は、お二人のお子さんの名前です。ロゴマークは当初より、あんちゃんをシンボルマークにしたいという要望があったため、美味しそうにパンをほおばる女の子に、手書きのやわらかい文字を添えたロゴマークにしました。よく見ると、髪型はパンのように見えませんか? 看板やシール、お店のファンを増やすためのアプローチとして、パンのためのボードやトートバックなどのノベルティも作りました。親しみやすくて、楽しめて、誰もが気軽に立ち寄ることができる、そんなお店になればいいなぁという思いをいろんなデザインを通じて表しました。
多くのお客様が訪れる同店ですが、実はWebサイトを持っていません。というのも、開店当初からインスタグラムを頻繁に更新されており、来店される方のほとんどがそのSNSの投稿を見ていらっしゃるため、必要ないと判断したからです。今回の相談がもし、企業として採用を強化したいということであれば、Webサイトを作っていたかもしれません。Webサイトの制作費は決して安くありませんし、一度制作すれば、意識的に更新する必要があります。クライアントの状況に応じて費用対効果を見極め、制作の有無も寄り添って考えられるように心がけています。
撮影:脇屋 伸光[ヤナギヤワークス]