boiboi camp
2022-:アートディレクション、ロゴ、サイン、パッケージ、グッズ、ペーパーアイテム、フォトディレクション、映像制作
竹田市久住町にあるボイボイキャンプ場のロゴや広報ツールを制作した事例です。地元紙に掲載されたINOSHITA DESIGNの紹介記事をきっかけに、ご連絡をいただきました。
相談をいただいたら、まずは実際に現場を見てみないと始まりません。キャンプ場を訪れると、九重連山が見え、天気が良ければ祖母山も見渡すことができる最高のロケーションでした。それもそのはず、詳しくお聞きすると、インスタのフォロワーは9000人、8-9割が県外客で、キャンパーにはよく知られたキャンプサイトでした。実際に、全国のキャンパーの投票によって、すばらしいキャンプ場を表彰する「キャンプシュラン」で金賞を受賞したことも。敷地内には、キャンプサイトだけでなくカフェもあり、週末は景色の良さから、キャンパーとカフェの利用者を合わせて1000人以上が訪れることもあるそうです。すでに人気店のため、集客には課題がなさそうですが、「訪れる人の満足度をより高め、キャンプ場としての認知やブランドをより高めていきたい」と考えていらっしゃいました。
デザイナーの視点で実施したことは主に3つです。外からの見え方の統一、発信する情報の整理、場内の情報の整理。相談時、オフィシャルロゴが3つあったため、1つにリニューアルすることを提案しました。現在のロゴに使用している山のイラストは、以前グッズ用にオーナーのお姉さんが書いたもので、それをベースにいくつかロゴ案を提案。どのような世代にも受け入れられるような、ポップなデザインを意識しました。また、それまでは記載がなかった地名「KUJU OITA」を入れることで、ロゴからも立地も認識してもらえるようにしています。
次に、発信する情報の整理です。キャンプには、多くの家族連れが訪れますが、とくに小さなお子さまのいる方であれば、快適に過ごせる設備が整っているかどうかを気にされます。トイレが綺麗かどうか、食べ物を変える場所があるのかといった、滞在中の体験や必要な準備物をリアルに想像できるような「等身大の情報」が必要だと思いました。それを解消するために、キャンプ場の立地の良さや施設の雰囲気や過ごし方などを伝えるためのイメージ動画、キャンプサイト全体のマップなどを作成しました。
最後に場内の情報の整理です。例えば、管理棟には、受付や購買の機能があるため、手作りのポップがたくさん貼ってあり、逆に大事な情報が届きづらくなっていました。そこで、賑やかで親しみやすい雰囲気はそのままに、注意書きや情報を整理して視認性が上がるようにデザインすることで、運営側も訪れる人も快適になるように工夫。キャンプの記念として(知人に紹介するツールとなることも期待して)、コーヒーやステッカーなどのオリジナル商品も制作して販売し、ありがたいことに人気商品になっているそうです。
訪れる人が事前に想像した通りだった、もしくはその期待以上だったという体験の価値が、顧客の満足度や口コミ、そしてブランドになっていきます。グラフィックや写真で良いイメージを伝えることはもちろん大事ですが、ブランドを検討するうえでは発信する情報のデザインも大切な要素だと考えています。プロジェクトはまだ進行形で、現在も現場を訪れたり、ご夫婦とLINEでコミュニケーションを図ったりしながら、より良いキャンプ場を目指しています。
ボイボイキャンプ場オフィシャルサイト https://boiboicamp.com/
ボイボイキャンプ場紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=ujMFkfl93-0
動画制作:菅沢 勇[spook idea & design]/ 久保 貴史[ELEMENT]
スチール撮影:矢野 哲義[ヤノテツデザイン]
イラストマップ:saya