beppu brewery

2022-アートディレクション、ロゴ、ネーミング、ウェブサイト、プロモーションツール、ペーパアイテム、サイン、フォトディレクション

BEPPU BREWERY(ベップブルワリー)は、2022年末に別府駅前のホテル1階にオープンしたクラフトビールの製造販売をする飲食店です。「やまなみの湯」で紹介したダイヤモンドグループが新たに立ち上げた事業で、プロジェクトチームの一員として企画から携わりました。また、ロゴ、Webサイト(https://beppubrewery.com/)、ショップカードなどのツール、商品パッケージのデザインから、撮影ディレクション、店内で使用するグラスの選定やユニフォーム、クラウドファンディングをしてくださった方へのリターン商品など幅広く関わっています。

クラフトビールは、年々人気になっている印象がありますが、ビール市場全体で捉えるとまだ1%程度だそうです。変化の激しい市場であるため、まずは新規事業の規模感やターゲット、販売戦略をチームで慎重に議論しました。そこで、小さくても直接的にお客様と深い接点を生むことができる店舗から注力することに決めました。最終的にチームは、クライアントであるオーナー、ビール製造のコンサルタント、内装設計会社、そしてデザイナーと多様なメンバーに。開店の約1年半前からプロジェクトがスタートし、月1回の全体でのミーティングに加え、月2回のデザインミーティングも並行して実施しました。

温泉観光地として有名な別府市、しかも駅前という抜群の立地。この店舗で目指すのは、観光客が立ち寄りやすく、ホッと一息つけるブルワリーでありながら、地元の方々にも楽しんでもらえるブランドです。提供するビール自体はわかりやすく、「湯上がり」に楽しめるビールをコンセプトに掲げています。

例えば、イノシタデザインの担当領域であれば、BEPPU BREWERYのロゴはビールっぽさを醸し出しながら、少しだけ温泉の湯気の揺らぎ要素を入れたロゴタイプを制作しました。店名や商品のネーミングにも携わり、キャッチーかつ、クラフトビールに馴染みのない方でも、一目で特徴が伝わることを意識しています。そして、もちろん、前提条件となるビールそのもののおいしさにもこだわるため、醸造長とブルワーがクラフトビールメーカー数箇所で経験を積み、開店に臨みました。実際の商品の味わいや体験と、デザインによって伝わるイメージが一致するとき、ブランドを最大限に高めることができると考えています。


新型コロナ感染症が落ち着き、別府も次第に観光客が戻ってきました。現在もプロジェクトは進行しており、持ち帰りが可能な商品の検討やクラフトビールフェスの開催など、オーナーのアイデアは尽きません。現在の事業から全く別の分野にチャレンジするバイタリティとアイデアにはいつも刺激を受けています。そんな思いのあるクライアントの活動に職能で後押しすることができる、デザイナー冥利に尽きるプロジェクトだと感じています。

撮影:久保 貴史[ELEMENT]

パッケージデザイン、ツールデザイン、撮影: 矢野 哲義[ヤノテツデザイン]

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