cyakumi

2018-ロゴ、パッケージ、サイン、ペーパーアイテム、写真撮影、フォトディレクション、映像制作

大分県大分市のサンドイッチ専門店CYAKUMI(チャクミー)は、同店とお客様とのコミュニケーションを促すためのツール制作(催事の什器や装飾、ショップカード、メニュー表、パッケージなど)をお手伝いしました。
店主は、プロサッカーチームの選手として活躍した後、未経験からサンドイッチ店を立ち上げた異色の経歴の持ち主。とことん追求する性格から、独学で何度も試作しながら生み出した独自製法のパン、選りすぐりの具材、ボリュームのあるサンドイッチは口コミで広がり、開業後急成長しました。そんななか実店舗とは別に出店した商業施設の店舗は、売上が思うように伸びず、ご相談をいただくようになりました。
商業施設は魅力的なお店や情報があふれている空間で、回遊する買い物客の目を引かなくてはなりません。当時の店舗は、商品の写真や現物が見当たらず、メニューやポップは手書きした紙をラミネート加工したシンプルなもの。何を売っているのかやこだわりなどが伝わらず、買い物客と店舗の間に「コミュニケーション」が生まれにくい状態でした。

そこで、伝えたい情報を整理し、カメラマンによる写真やグラフィックデザインで可視化していきました。CYAKUMIのサンドイッチは断面にインパクトがあり、お店のシンボルとして十分に機能すると考え、ロゴはあえて刷新せずに既存のものを活用しています。店頭には断面をディスプレイできるように冷蔵ケースを設置し、東京の大手百貨店での催事が増えたタイミングで、展示台や什器、個装用のパッケージなども追加で制作。ショップカードやメニュー表には、見やすさとサンドイッチを食べるときの祝祭感や楽しさを加えました。2020年以降は、新型コロナウイルス感染症拡大によるテイクアウト需要の高まりを機に、拠点としている大分市今津留の店舗も改良し、パンの製造工程を紹介する動画なども撮影しました。

日本パッケージデザイン大賞2021 食品部門 入選

こうして2018年から継続的にご相談いただきながら、少しずつ改良を重ねた結果、店舗や紙の制作物、SNSなどのさまざまなメディアやお客様との接点において、視覚的なイメージが統一され、“CYAKUMIらしさ”が補強されていきました。お店の実力と、そのイメージに合ったデザインが相乗効果を生むことで、これまで以上に認知度向上やリピーター増加につながり、売上も好調に推移しています。このプロジェクトにおいて、デザイナーは商品の魅力を伝える「翻訳者」のような役割を担っています。また、最終的な制作物を効果的なものにするために、意匠的な部分の提案だけでなく、前提となる課題の抽出や解決方法も一緒に考えながら進めています。

撮影:佐藤 俊彦[ALTERNA PHOTO]

撮影:脇屋 伸光[ヤナギヤワークス]

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