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2019-パッケージ、サイン、ウェブサイト、ペーパーアイテム、写真撮影、フォトディレクション、映像制作

温泉で有名な観光地である大分県別府市を拠点に、地元産品を生かした菓子や土産品の開発、製造、販売をする南光物産株式会社。同社の代表的な商品「ざぼん漬」のリパッケージを手がけました。
別府市とセレクトショップBEAMSによるコラボレーションプロジェクト「BEAMS EYE on BEPPU」をきっかけに協働がスタート。材料となるざぼんは、大分県津久見産の直径20㎝近くにもなる柑橘類で、そのワタの部分を加工したものが「ざぼん漬」です。昔から親しまれている商品ということもあり、購買年齢層は比較的高い傾向にありました。一方、このプロジェクトで完成した商品を販売するBEAMSに訪れる顧客は、20~30代が中心。また、ざぼん自体が、全国的に知られているものではありません。
パッケージを検討する際は、スタンドパックに商品ラベルを貼るということは決まっていたので、そのなかで目標とする顧客層への訴求と、一目で商品情報が伝わることを実現しようと試みました。
ラベルの全面に打ち出したのは、どんな人にも親しみやすく、かつ、売り場でも目を引く、ざぼんをモチーフにした可愛らしいキャラクター。商品説明に「南国の果物」、お土産やお菓子ではなく「スイーツ」という言葉を使用することで、従来のイメージを一新しながらも、どのような商品かはより伝わるようにしました。また、旧パッケージから引き継いだ「ざぼん」のロゴタイプは、文字の色や組み方を変えることで与える印象を変化させています。店頭では、キャラクターがウインクしているパッケージがランダムに入っているので、見かけたら探してみてください。

リパッケージ後、2018年1月から販売を開始。観光産業が新型コロナウイルスの影響を受けるなか、2021年1月の「ざぼん漬」全体の販売実績は、数量で137%、金額ベースで144%を達成(2018年1月比)。売上が好調なことから、チョコレート、抹茶、ココナッツなどのシリーズも展開することになりました。
このプロジェクト自体は、ご依頼から完成まで比較的短期間でしたが、以降、継続的にご相談いただくようになり、現在はグラッフィックデザインはもちろん、新商品開発や海外向けプロモーションなど、自社ブランドの戦略に関わる幅広いプロジェクトに携わっています。

撮影:脇屋 伸光[ヤナギヤワークス]

撮影:久保 貴史[ELEMENT]

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